「ルサンチメン RESSENTIMEN」は私、江左尚哉とミュージシャンの入潮 "Vabo" 浩太郎の2人によるお笑いコントコンビです。
このロゴは結成6周年を記念して、古くなったロゴをリニューアルし、ルサンチメンが新たな気持ちで活動を行っていくために制作されました。
これは2011年の結成時に私が制作したものです。
このロゴには、細部を除いて2つの問題点があります。
1つ目はデザインに意味がほとんど含まれていないことです。
ルサンチメンの頭文字「R」と、両サイドの●が「2人」ということを表わしている以外には何の意味も含んでいません。
意味が込められていないデザインは、デザインではありません。
2つ目の問題は、どこまでが1つのロゴなのか、非常に分かりにくいことです。
両サイドの●と真ん中のマーク(Rに○)が完全に離れてしまっており、加えて●が非常にありふれた図形であることから、両サイドの●を含めて1つのロゴなのか、それとも真ん中のマークだけがロゴなのか、非常に分かりにくくなっています。
もちろん上の画像のようにロゴだけを出されると分かるでしょうが、例えばこういうデザインのときはどうでしょうか。
100人いたら数人は間違うかもしれません。それではロゴとしてはダメなのです。
新しいロゴを制作するにあたって課題であったのは、大きく分けて
①上記の2つの問題を解決すること
②リニューアル後もルサンチメンのロゴであることが伝わるようにすること
の2点でした。
まず、リニューアル後もルサンチメンのロゴであることを伝えるために、Rに◯のマークをアイディアの基礎として残すことにしました。
2つの問題を解決する時、旧ロゴの両サイドの●を無くすことを考えましたが、大事なのは「意味」です。あの●が表していた「2人」という意味は是非とも残したい。
ただの2人ではなく「対等な2人」ということを表現するために様々なビジュアルモチーフを考えました。
握手、半分、天秤、ベン図などなど。
様々なアイディアの中で私は『陰陽』というモチーフを用いることにしました。
『陰陽』と聞いて多くの人が画像の絵をイメージするでしょう。
正しくは「陰陽魚太極図」と云われるものです。
加えて、私は新ロゴにもう1つ意味をもたせることにしました。
理由は我々ルサンチメンの活動の方向性が、結成当時とはずいぶん変化していたからです。
私はもう1つのモチーフとして『風車』を選びました。
我々に吹く「追い風」、過去から未来をつないだ中にいるという想いから「流れ」、デザイナーとミュージシャンが混ざり合って笑いという化学反応を起こすという想いから「循環」などなど…。これらを表現しようとした時、『風車』というモチーフが最適だと考えました。
「こどもっぽさ」を感じるところも気に入った理由の1つでした。
これらのアイディアを統合して、黄金比を参考にしつつ設計し、このロゴが完成しました。
以上、「ルサンチメン RESSENTIMEN ロゴ」解説でした。
読んでいただきどうもありがとうございました。
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